親族内承継をするときのポイント
事業承継は企業の将来を左右する重要な課題であり、準備不足は事業の停滞や従業員の離職、取引先の減少などさまざまな事態を招きかねません。
この記事では、事業承継の手法のひとつ、親族内承継をするときのポイントについて解説します。
親族内承継とは
親族内承継とは、経営者が自身の血族や親族関係にある後継者に会社の経営を引き継ぐことをいい、日本では最も一般的な事業承継の手法です。
事業承継には後継者の選定や育成に早くても3年、通常5年から10年に渡る準備が必要だといわれており、早めに計画を立てることが非常に大切です。
事業内承継の手法の中でも、親族内承継は経営者が直接後継者を指名できるので、経営理念や企業文化の承継が比較的スムーズに行えるという特徴があります。
親族内承継のポイント
親族内承継を成功させるポイントは、以下の通りです。
- 後継者をなるべく早い段階で選定する
- 公正証書遺言書を作成する
- 有利な税制や補助金について専門家にアドバイスをもらう
それぞれについて詳しくみていきます。
後継者をなるべく早い段階で選定する
後継者をなるべく早い段階で選定することは、親族内承継を成功させるうえで最も重要なポイントです。
後継者を早めに選定することで、後継者として育成するための十分な時間を確保することができます。
後継者を決める際には経営状況や課題を明確にし、自社にとってどのような資質や適性を持った後継者が必要なのかといった観点からの選定が大切です。
公正証書遺言書を作成する
後継者が決定したら、遺言書の作成を行います。
遺言書には、「自筆証書遺言書」「公正証書遺言書」「秘密証書遺言書」の3種類がありますが、親族内承継においては公的な証明性の高い公正証書遺言書を作成します。
公正証書遺言を作成することにより、現経営者に万が一のことがあった場合でも、希望に沿った親族内承継の手続きを行うことができます。
有利な税制や補助金について専門家にアドバイスをもらう
事業承継に伴う節税のためには、有利な税制や補助金についての最新情報の収集が必要です。
事業承継特別税制や事業譲渡に関する特別措置の活用、または生前贈与することで節税できる可能性もあります。
親族内承継には、相続や贈与などが発生するため、税の専門家である税理士のアドバイスが非常に有効です。
まとめ
親族内承継は、血族や親族関係にある後継者に事業を承継するため、意思の疎通がしやすく、比較的スムーズに進めることができる承継手法です。
事業承継は綿密に準備し、計画的に時間をかけて対策することが最も重要です。
親族内承継のための相続や贈与、特別税制の活用など、さまざまな場面で税の専門家である税理士の知識と経験が必要になります。
親族内承継についてお考えの場合には、なるべく早い段階で税理士のアドバイスを受けることがおすすめです。